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RYUJI / メイクアップ&ヘアアーティスト


"ON DISPLAY"

PROLOGUE -プロローグ-

夢を実現するきっかけをくれた二人のフォトグラファー

2000年にNYに渡り、運良くすぐにエージェントと契約できたものの、当初は小さなマガジンの仕事ばかりでした。海外ではエージェントを介してフォトグラファーに作品を観て頂き、その良し悪しでキャスティングされるケースが多いのですが、あるときアルバート・ワトソン氏というフォトグラファーからオファーをいただき、スペイン版『VOGUE』を10ページやらせていただけることになったんです。『VOGUE』のカバーをやることは僕にとって大きな目標の一つでもあったし、本当にラッキー以外の何物でもなかったですね。そこからキャリアが少しずつ変わってきて、他国版の『VOGUE』や『ELLE』、広告などもやらせて頂くようになりました。

その後もワトソン氏とはずっとお仕事をさせて頂いたのですが、彼が2004年にミラノの美術館を皮切りにヨーロッパ各都市の美術館で大きなツアー作品展を開催されて、僕が関わった作品も飾られる事になったのです。ミラノでのオープニングレセプションのパーティーで壁一面に飾られたそれらの作品を見た時、すごく嬉しくて今まで美容に携わって来て良かったと心から思いました。その時から、僕も壁に飾るための作品を創りたいって考えるようになったんです。そんな話を渡邉肇さんにお話したら、一緒にやろうと言ってくださって──。それで実現したのが今年の初めに開催した作品展『化粧写真』です。

フォトセッションでは相手が投げかけてきた事にどうライブ感覚で反応するかが一番重要です。渡邉さんとセッションする時は、そのキャッチボールがもの凄く面白いんです。僕が想定外のことをしても、「あ、そうきたんだ。それなら僕はこうやってみようかな」とすぐに敏感に反応してくれる。僕もそれに対してさらに変化し反応する、その繰り返しがエネルギーとなって一種の化学反応的な事が起きるんです。例えて言うなら僕が暴投ピッチャーで、渡邉さんはどんな悪球も必ず受け止めてくれるスーパーキャッチャーのような人でしょうか。フォトグラファーとして他に比較のない独自のスタイルで物事を捉え、表現する〝眼〟を持っている方ですね。これからもお互い刺激しあって面白い作品を創っていきたいです。

あなたにとってメイクとは?

メイクの一般的な考え方のベースは修正論、つまり、短所を修正していくというのが基本的な考え方です。でも果たして、その修正論が今の時代にマッチしているのか──ということに疑問を感じるのです。確かにコンプレックスを解消してあげることは大事かもしれないけれど、もしかしたら垂れ目の人を垂れ目のままにして他の部分でちょっと変化をつけたら、逆にその人の魅力になるかもしれない。そういう発想を一般的なメイクにも落とし込むためにも、実験的なメイクや表現をどんどんやったほうがいいんじゃないかな、と思うんです。コスプレやギャルメイクも同じことで、もしかしたら最初は半ば冗談で試しにやってみたら、それが意外と可愛いということでファッションとして認識され確立したのではないでしょうか。

顔が丸いから隠すのではなく、出しても可愛く見せるにはどうしたらいいか、という考えのほうがよほど前向きですよね。僕が『化粧写真』で発表したような作品を創ったのも、ああいう実験を続けていくことで、何かこれからの時代のキーになるアイデアやエネルギーが美容から生まれてくるといいなという思いがあるからです。固定観念にとらわれない自由で豊かなメイクの表現が世の中にあふれたら面白いですね。

  • RYUJI / メイクアップ&ヘアアーティスト
  • 10年間の東京でのフリーランス活動の後、2000年〜2009年7月までNYを拠点に主にNY、MILANで活躍。現在は東京に拠点を移しグローバルな活動を続けている。Albert Watson、Sante D'Orazio、Bettina Rheimsなどの著名写真家とのコラボレーションも多く、雑誌、広告、CFなど広範囲の支持を得ている。また、2009年1月には写真家・渡邉肇氏と共同で東京/青山 と 西麻布に於いて作品展『化粧写真』を発表し、好評を博す。
  • 化粧写真 HP : http://www.rhproject.jp/