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藤井 康弘 / ヘアメイクアップアーティスト
"Glitter&Texture"
CONCEPT -コンセプト-
メタリックなツヤを放つ、物言いたげな唇。
彗星が宿ったかのようなまぶたは、先端が赤く燃え、尾が涙のように青い。
水から上がった人魚のような、輝く髪も印象的だ。
光とテクスチャーをコンセプトにした、今回の作品の意図を探った。
ー今回の作品の狙いは?
「つややかなグロス感と、きらめくグリッターを使って、パーツをきれいに見せることを重視しました。普通、ポイントで少し使うものを思いきりのせて、非日常を表現したかったんです。いつもメイクしている目元、口元、そして髪が、こんなに強調されることはなく、質感でグッとおもしろさを出せると思いました。瞬間をとらえるスチール撮影は、パッと見てきれいと思わせるのと、インパクトが大切。誇張で表現する楽しさがあると思います」。
TECHNIC POINT -テクニックポイント-
ー目と唇は、驚くほどたっぷりグロスをのせていますね
「ラメをグロスに混ぜてのせているんです。立体的に見せてインパクトを出し、ラメが生む光の乱反射が入り乱れて見えるようにしました。赤、青、緑と偏光で光るため、角度で印象が変わります。その上からさらにゴールドのラメをかけることで、輝きと奥行きを増幅させています。目元なんて、ありえないくらいに分厚くのせて、2ミリくらい盛り上がっているんです。これくらいのせないと、写真から立体感が伝わらなかった。輝く水でコーティングされたような、新しい質感が生まれて満足しています。グロスが垂れてきて、おもしろい形をつくり出すのも、計算として取り入れました。意外だったのが、表面を平らにならす難しさ。凹凸があると影ができ、輝きが失われるんですね。コシのある、幅広のリップブラシが役に立ちました。
ー髪にラメをのせた作品について聞かせて下さい
「水とワセリンを混ぜて付けました。ビニール手袋2、3枚を付け替えて作業すると余計なラメが混ざらずうまくいくんです。印象的なアクアマリンカラーの輝きを、目元に持って来るよう、トップをピンで留め、髪の落ちる位置を動かしています。三つ編みでクセづけして緩やかに波打たせ、ワッフルのような質感で光を乱反射させたのも、工夫のひとつ。ゆがみがつくるグラデーションがおもしろいと思います。
部分ウィッグを使うことで、自在に毛束を動かし、自由な表現を実現した。ラメを狙った場所に付けるためにも、手元で作業できるウィッグが便利だったそうだ。
ーインスピレーションの元になったのはどんなものですか?
「これ、と限定はできないのですが、街でイルミネーションを見たとき、現代アートがライトに照らされてまばゆい色があふれていたとき、でしょうか。書店に立ち寄ったらアートな本を眺めることも多く、そのビジュアルが頭に残っていたのかもしれません。洋書、写真集、あとイタリアンヴォーグなどをよく見ますね。最近日本映画が気になって見ているので、影響を受けているかもしれません。面白かったのは『十三人の刺客』『告白』『悪人』などです。何でも見ておくことが大切で、自分の中に貯めておくと、あるときイメージとなって突然ふっと思い出し、役に立つんです」。
感動の蓄積が、発想を生む。刺激を貪欲に吸収しようとする、クリエーターの姿がそこにあった。
これまでにも、パーツを大きく取り上げた作品に取り組んできた藤井さん。以前の撮影や今回のためのテスト撮影を元に、メイクを構築したという。
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