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Artist


Mika+CHISHIN/ ヘアメイクアップアーティスト


"Untitled"

CONCEPT -コンセプト-

"トリックヘアメイク"という新しいジャンルを開拓し、
活躍するユニットMika+CHISHIN。お二人に、幻想的な作品の意図を聞いた。

―今回の作品のコンセプトは?

Mika「"リアルと非リアルの中間を行く、アンバランスなもの"です。人間の延長ではなく、フェアリーでもなく、異物を付けている何か…。そんな見たことの無いもの、不思議な世界観を表したいと思ったのがこの作品です。言うならばキュビスムのペインティングを実写化したような感じ。折り紙で作った立体のような、人の形でないもの。コンピューターグラフィックにある、ポリゴンの多面体のような。ただ、そんな非リアルを実写化しようとしてやりすぎるとモンスターになってしまうから、上品に仕上げるよう工夫しました。オブジェのように、形を平面で表現しているので、より抽象的になり、幻想的な雰囲気を出せていると思います」。

ー特殊メイクとは違う新たなアートということですね。

Mika「私たちの作る作品を表現する言葉に、特殊メイクは違うかなと思っています。それで、トリックヘアメイクという言葉を使っているんです。今回は写真だからできる世界を作りたくて、何気ないパーツに光りと影を落として、驚きを与えるような、あれっ、と思ってもらえるような、不思議な感じが出せたと思います」。

TECHNIC POINT -テクニックポイント-

―苦労した点、ポイントとなるテクニックは?

Mika「こういった、非リアルのクリエーションは、初めてやることばかり。参考にリサーチした物が絵画や折り紙といった、直接落とし込めるものではないので、事前に作ってみて、試行錯誤を繰り返しました。メイクについて言えば、顔のバランスをわざと崩し、陰影をあり得ないところにつけたのがポイント。目は左右アンバランスに。ペインティングのような雰囲気を出すよう努力しました」

ー造形について、ポイントを教えて下さい。

CHISHIN「モデルの顔と肩の型を取り、それを元に密着するように合わせて作った、スキンピースを接着しています。撮影ではライトを下に置いてみないと、実際の色が分からないので、微調整は現場で。ライトで白く飛びすぎる部分は、エアブラシで調整しました。頭にかぶったラテックスのキャップも、ライフマスクを取って創ったものです。違和感が出ないよう緻密な作業が必要です」。

ーさらにアート作品を装着して世界観が広がっていますね

Mika「今回はスタイリストの渡辺由樹さんの力を借りることができ、この素晴らしいアイデアをいただきました。デザイナーのYUIMA NAKAZATOさんが創作された作品で、大変面白い効果があり、深みのあるイメージになりました」。

これは、らせんのように自在にカーブするゴールドのマテリアルを使っている。カーブ次第で、作品に新たな表情が生まれるのだ。レディ・ガガのライブ衣装としてや、写真家の篠山紀信氏の作品にも使われたことがあるものだという。それぞれのアートな精神が集結して化学変化が起きる、コラボレーションの素晴らしさがここにもある。 二人だから、そして今回はさらなるアーティストとのコラボレーションが実現して、可能性が何倍にも広がった。そんな、新しいクリエーションのかたちが、この作品から読み取れる。

当日の設計図としてのラフ画 Mikaさんのラフ画。
試行錯誤して何度も描き変えることもしばしばだそう。一番最初のラフ画は全身を描き、全体をイメージして作るが、
こちらは当日の設計図として簡潔に要点をまとめて描いたものだ。