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Artist


makoto / ヘアメイクアップアーティスト


"SANS NOM" 〜La librete de Sensibilite〜

PROLOGUE -プロローグ-

発想の自由さとドキドキ感に魅せられて

母が美容師だったこともあり、中学を卒業してすぐに、美容学校に通いながら母の美容室で働き始めました。15歳の時すでに、「世界で活躍できる美容師になりたい」などと言っていた夢大木少年でした。

世界に出たいーーそんな単純な発想から、20歳のときにパリへ渡りました。そこでは、世界のトップクラスで活躍するカメラマンやアーティストとの数多くの出会いがあり、見るもの聞くものすべてが刺激的でした。文化や宗教、さまざまなことに対する尺度の違いをものすごく感じたsh、自分が持っていた世界観がいかに小さいかを思い知らされました。

例えば向こうではすべてにおいて、まず"ノー"から入るんです、それは、頭ごなしに否定しているわけではなく、まず"ノー"ということをお互い確かめ合って。そのうえでどこをリスペクトできるかということを探し出すんです。そして、探し出せるものが何もないヤツはつまんない、となる。また、"マスト"とか"〜ねばならない"とかがなくて、本当に自由。でもそれは、好き勝手な自由ではなくて、責任の所在をはっきりさせたうえでの自由であることが条件なんです。いわば、根拠のある自己主義とでもいうんでしょうか。そういった事を学びましたね。

現場では、日々新しいものが生まれます。すでに出ている雑誌を持ってきて、「こんな感じで撮ろうよ」なんていうカメラマンは当然ながら一人もいません。例えば2日連続、同じチームでケイト・モスの撮影があったとしても、昨日が『グラムール』で今日が『ヴォーグ』だったら、違うケイト・モスが撮れるわけですよ。
そんな 毎日を過ごしていたある日、ヘアメイクついて僕の中で迷いが出てきてしまったときがあって…。カメラマンのパオロ・ロベルシーに、「今日はこんなふうにしてやろうと思うんだけど、どう思う?」と尋ねたら、彼は優しくクラシックなんかを聴きながら「NAKOTO、俺たちは作家じゃないんだから。これから創る女性像を言葉で語ってどうするの?俺の前にいい女を出してよ」と言うんです。その言葉には、すごい衝撃でしたね。そうか、理屈じゃなくカメラマンを感動させなければ意味がないんだ、という事に気づかされました。

インターナショナルでは、"ソフィスティケイト・ナチュラル"という言葉があります。言葉として矛盾しているようですが、創られたものではあるのだけれど、まるで本物であるかのようなーー本物を超えた嘘ーーそういうものが求められているのでしょう。

壁にぶつかって気づいたヘアメイクの力

僕は、ヘアメイクを生業とは思っていません。本当に好きだからこそやっているんです。基本的に女性、美しい物が好きなんですね。

そんな僕でもあるときヘアメイクをしたくなくなった時期がありました。本当に素晴らしい腕を持ったカメラマンにかかると、ヘアメイクがほとんど見えないくらい影を落とされたりしても、その女性はすごくきれいに見えるんです。ヘアメイクって一体何なんだろう、必要ないんじゃないかーーそう思ってしまったんです。でも、確かにそれも美しさの表現の一つではあるけれど、本物を超えた美しさを創れるのがヘアメイクの力なんじゃないかーーそう気づいてからは、またヘアメイクが楽しくなりましたね。

メイクは、どうやるかではなく、どう見えるかが大事。その結果が見えなくなったら終わりだと思っています。なので、いつもインスピレーションを大切に、色々な引き出しを持ったヘアメーキャップアーティストでいたいと思っています。

今回の作品制作にあたり、MAKOTOさんが用意したイメージラフ。「3点の作品はそれぞれ独立したものですが、"美しくあること"というのがすべて共通した絶対的な条件です」

タマラ・ド・レンピッカをイメージした作品で印象的だった、直線的なアイメイク。「感性に任せて、勝手に手が動くままに描いていきました」

今回は撮影もMAKOTOさん自らが担当。「僕にとって写真は、あくまでもヘアメイクの延長線上にあるもの。自分が創ったものをより突き詰めるためのツールとして捉えています」

  • makoto/ヘアメイクアップアーティスト
  • 1984年渡仏(Marie France Thavonekham所属)。1997年帰国。在仏中、13年にわたり、Gay Bourdin、paolo Roversi等、数々の著名フォトグラファー、スーパーモデル、セレブと共に、VOGUEやHARPAR'S BAZAAR等の雑誌、広告等様々なクリエイションに携わる。1997年帰国後、広告、アーティスト、雑誌等で幅広く活躍。また、有名化粧品メーカーの主力ブランドのメイクラインの企画、開発なども手掛け、ヘアメイクにとどまらず、Beautyディレクターとしての活躍の場を広げている。
  • WORKS
  • 【INTERNATIONAL WORKS】
    ■ADVERTISING:ロレアル、ゲラン、ロシャス、クラランス、ソニアリキエル、ケンソー、ルイヴィトン、イヴサンローラン他
    ■EDITORIAL:VOGUE、HARPER'S BAZAAR、ELLE、marie claire、GLAMOUR、DEPEHE MODE、COSMOPOLOTAN、MADME FIGARO他
    ■PHOTOGRAPHER:PAOLO ROVERSI、PAMEKA HANSON、GUY BOURDAN、CLAUS WICKRATH、THIERRY LE GOUES、MICHEL ROBERTS他

    【NATIONAL WORKS】
    ■ADVERTISING:SUZUKI、VOGUE NIPPON 10th Anniversary、LUX、サントリー、Perfams GIVENC、'08 S/S・'07 S/S OTTO Women カタログ『Studio Tokyo』他
    ■EDITORIAL:ELLE JAPON、FIGARO JAPON、Urb、beas'up、流行通信、インファス、SPUR、VITA他
    ■ARTIST:吉川晃司、今井美樹、鶴田真由、渡辺美里、藤原紀香、片瀬那奈他