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Artist


稲垣 亮弐 / ヘアメイクアップアーティスト


"Black Book"

Photographer's Eyes 「KEI OGATA」

天才的なひらめきと自由な発想を持ったアーティスト

今回、稲垣さんから「黒でいきたいんですよね」と言われたとき、ブラックオンブラックという言葉の響きから、きっと面白いものが出来ると直感しました。それですぐに、持っている写真の中からそれらしいものを加工して見せたら、「そうそう、これなんですよ」と──。やはり感性が似てるんでしょうね。

黒というテーマだったので、闇を表すには光だなと思いエリスポを使いました。通常はモデルの立ち居地を示すときなどにポイントで打つものですが、光がハッキリしているのでわかりやすいのと、スローシャッターになるので微妙にブレるところが良いなぁと思いました。光の当て方がほんの数ミリずれるだけでも、サッと突き抜けるような光になったり、ただ当てた光になったりと見え方がまったく変わってくるので、そこに一番神経を使いました。

稲垣さんは、ヘアメイクとしてはある種の天才的なひらめきと自由な感性を持ってますね。ブラックオンブラックなんて、黒い写真に黒いロゴ乗せたら真っ黒じゃん、って話なんですけど(笑)。でも、わかるんですよ。同じ黒でも質感や光によって見え方がかなり変わる──そういう微妙なところに何かを感じているんだなって思いました。目に見える世界を通して目に見えないものを表現する、やはり根がアーティストなんでしょうね。
こういう分野では彼の右に出る人はいないと思うし、何か面白いことができそうだなというときはいつも稲垣さんに頼むのも、お互いに外し方が似てるからだと思います。
僕たちがなぜ形だけを完璧に追求しないのかというと、そこに滲み出てくる目には見えないその人のソウルというか、ズレのようなもの──そこを撮りたいんです。その人が大事にしてるものとか生き様とか、時にはいやらしさとか、そういうほうに惹かれるんじゃないですかね、僕たちは。
あと、完璧なものよりもちょっとズレている感じが好きなんですね。人間って皆ズレているから面白いと思うんです。普遍的なものの中に新しいものを見つけようとする姿勢が彼とは一致しているので、これからも一緒にもっともっと追求していきたいですね。